『電子顕微鏡で見る紙の世界2』気になるあの紙にもっと迫ってみよう -その6 非塗工の異なる紙の表面の比較パート2 -最高級上質紙/両更クラフト

第六回目となる今回は「非塗工の異なる紙の表面の比較パート2」ということで、当社で取扱いのある紙の中で、紙表面にお化粧を施さない、非塗工でかつ表面の違いがわかりやすそうな最高級上質紙両更クラフトの表面写真をご紹介してみようと思います。

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最高級上質紙 表面写真(300倍)

最高級上質紙
キメの細かい上質紙として当社で人気の最高級上質紙。
製図用紙のようなキメの細かさが特徴の最高級上質紙は、非塗工の紙でありながら高い平滑性を確保していますが、表面の拡大画像はこんなカンジになります。
紙の繊維が緻密に絡み合っていますが、すき間が多く見える反面、先にご紹介したケナフやアラベールよりも総体的に紙の繊維が細くて、かつ高い密度で絡み合っているのがこの画像からもおわかりいただけるかと思います。これにより最高級上質紙ではキメが細かく、かつ非塗工ながら高い平滑性を実現できたわけです。
他にもインクジェットプリンタによる出力が可能であったりなど、マルチペーパー的なパフォーマンスの高さも兼ね備えます。当社が最高級上質紙と呼んでいる理由のひとつ、表面の拡大写真からも感じていただければ幸いです。

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両更クラフト 表面写真(300倍)

両更クラフト
白紙が多い印刷用紙の中で茶色がひときわ目立つクラフト紙。
紙袋やワンプなどにも使われるこの紙には、安易に破れたりしないような強度が求められているため、漂白されていない木材パルプから抄紙されます。さらにパルプの繊維も太くて長い強度のある針葉樹を原料としたパルプが用いられています。
ほとんどの印刷用紙の場合、漂白されたパルプを原材料に抄紙されます。パルプの種類には原料となる木材の違いや漂白方法の違いなどでいろいろな種類のパルプが精製されますが、これらのパルプをブレンドさせることで印刷適性を上げたりさまざまな風合いを表現する紙が生まれます。その反面、漂白処理を行うことで繊維が細くなったり強度が弱くなってきます。印刷適性を上げるために必要な処理もクラフト紙にとってはマイナスポイント。そのためクラフト紙には強度のある木材を原材料として漂白処理されずに精製されたパルプより抄紙されます。拡大写真にも見られるような太くて長い繊維が使われるのです。
そんな背景を持つクラフト紙。漂白しないため紙の繊維の一部が黒く見えたりもしますので、決して印刷適性が高い紙ではありませんが、それゆえに紙の素朴な風合いや力強さがあります。あえて色数は使わずに、1色や2色刷りのシンプルなデザインの印刷に案外向いているかもしれません。そんなシンプルさを拡大画像からも感じていただけますでしょうか?


電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o


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