『電子顕微鏡で見る紙の世界2』 気になるあの紙にもっと迫ってみよう -その5 非塗工の異なる紙の表面の比較 -ケナフ/アラベール-

第五回目となる今回は「非塗工の異なる紙の表面の比較」ということで、当社で取扱いのある紙の中で、紙表面にお化粧を施さない、非塗工でかつ表面の違いがわかりやすそうなケナフアラベールの表面写真をご紹介してみようと思います。

10_02_08NO362_1.jpg
ケナフ 表面写真 (300倍)

ケナフ100GA
ケナフパルプより抄紙されたケナフ100GA。
非木材のケナフが原材料ということで環境紙としても知られていますが、当社では見本を手にされてケナフの風合いを気に入ってご利用になるお客さまも大変多くいらっしゃいます。やさしい手触り感のケナフ。断面の拡大写真は以前のブログ『電子顕微鏡で見る紙の世界 人気の紙に迫る! ~ケナフ100GA~』でもご紹介しましたが、表面の拡大写真もご覧いただくとケナフの特徴をさらによく表しています。
ケナフの繊維は大きく二種類に分かれます。茎の外側にある繊維部分のことを「靭皮(じんぴ)」、茎の内側にある繊維部分のことを「木質部(もくしつぶ)」と呼びますが、茎の外側にある繊維部分は繊維が長く、茎の内側にある繊維部分は逆に短い性質を持っています。
ケナフパルプはこの両方の性質を持つ繊維をブレンドして抄紙されます。また電子顕微鏡の拡大写真から色まではわかりませんが、白すぎないのもケナフの特徴。これらが組み合わされることで、温かみのある風合いが出来上がるのです。正直なところ印刷再現性は高くありませんが、紙の質感をアピールできるようなデザインだとコート系の紙ではまずマネの出来ない、ケナフの持つ特徴をうまく引き出してくれると思います。カード系やフライヤー系でも展開しているケナフ、人気の理由の一部を拡大写真からも感じていただければ幸いです。


10_02_08NO362_2.jpg

アラベール 表面写真 (300倍)

アラベール
非塗工のファンシーペーパーとして、有名なアラベール。
画用紙を思わせる手触り感とやさしい風合いは、当社がファンシーペーパーの取扱いを始めた当初から人気を博している紙でもあります。アラベールの断面拡大写真は以前のブログ『電子顕微鏡で見る紙の世界 人気の紙に迫る! ~アラベール~』で嵩高な紙の状態をご紹介しましたが、今度は表面の拡大写真をご紹介してみたいと思います。
パルプの繊維が絡み合って、適度にすき間が空いた状態のアラベールの紙表面。このため印刷時には印刷インキを紙内部により引き込みやすい性質を持っています。そして適度な凹凸感を持つ独自の風合いを実現するために、アラベールの原材料になるパルプには広葉樹(L材)と針葉樹(N材)の両方がブレンド配合されています。広葉樹は繊維が短く細いので地合いが取り易く、印刷用紙に適していますが、N材は長くて太いので、基本的には包装資材等の強度を求められる紙に適しています。アラベールでは特長ある風合いを出す為にN材が若干配合されているのです。
このほかにもインクジェットプリンタでの出力に対応していたり、筆記適正もあったりなど、シンプルな風合いと画用紙のような手触り感が特徴のアラベールは、マルチペーパー的なパフォーマンスも兼ね備えています。カード系でもフライヤー系でも大人気のアラベール。一般的な塗工紙ではまずマネの出来ない雰囲気を表現出来る理由のひとつが、この拡大写真からも感じていただけますでしょうか。

電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o

※本画像は各製紙メーカーさまのご協力のもとに、本ブログ記事掲載についてのご了承を得た上で使用しております。したがって本画像の2次利用および無断利用については固くお断りいたします。またこの記事の文章におきましても、無断で転用することは固くお断りします。

  • 投稿者:
  •  日時:
  •  カテゴリ: