『電子顕微鏡で見る紙の世界2』 気になるあの紙にもっと迫ってみよう-その4 塗工の異なる紙の表面の比較 -ハイマッキンレー アート/ヴァンヌーボVG-

今回から紙の表面の拡大画像を3回にわたってご紹介したいと思います。これまでの断面画像では、紙の構造を階層的にご覧いただけるような貴重な拡大画像をご紹介しましたが、表面の拡大画像では、肌触りや風合いといった肉眼で見ることの出来ない感覚の部分がご覧いただけるので、次にその紙に出会われるときにきっとそのことを思い出していただけるんじゃないかなと思っています。
ということで、第四回目となる今回は「塗工の異なる紙の表面の比較」ということで、当社で取扱いのある紙の中で表面の違いがわかりやすいオーソドックスな紙、ハイマッキンレーアートヴァンヌーボVGの表面写真をご紹介してみようと思います。



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ハイマッキンレーアート 表面写真(上から300倍 3000倍)

ハイマッキンレーアート
最高級のスーパーアート紙、ハイマッキンレーアート。
グロス感の高いハイマッキンレーアートは、印刷再現性に優れ、かつ平滑性も高いと言われていますが、300倍に拡大した画像でもほぼ平らに見える紙表面は、この紙の平滑性の高さをあらためて物語っていると言えます。
さらに3000倍に拡大した画像を見てみましょう。ところどころすき間っぽく見えていますが、これは塗工剤の粒子がカレンダー処理でのローラーを通ることで凹凸がつぶされ平らになったものです。この倍率でこの平滑性の高さはスゴイの一言につきます。
抄紙後、別工程で塗工処理を行うオフコータのような手間を経て、紙に磨きをかけるカレンダー処理で塗工剤の粒子まで平らにしているハイマッキンレーアート。冊子やカード印刷でここ一番の印刷に映える理由がこの表面写真からも感じていただけるかと思います。



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ヴァンヌーボVG 表面写真(上から300倍 3000倍)

ヴァンヌーボVG
ファンシーペーパーの代表格で当社でも大人気のヴァンヌーボVG。
塗工紙ながら紙表面の凹凸を生かしたインパクトのある仕上がりは、竹尾さんの登録商標でもある「ラフ・グロス」の表現どおり、ラフっぽい紙表面にグロス感のある印刷表現を見せてくれます。先のハイマッキンレーと違って若干凹凸を持たせた紙表面、そのインパクトのベースがこの300倍に拡大した画像です。
さらに3000倍に拡大すると、右のように塗工剤の粒子が球状になってたくさん見えるかと思います。この球状のことをヴァンヌーボの製造元である日清紡さんでは「有機質ピグメント」と呼んでいますが、ハイマッキンレーと違ってヴァンヌーボは塗工処理された有機質ピグメントを抄紙工程でつぶしません。この無数の粒子がヴァンヌーボの温かみのある手触りを実現しています。
ちなみにこの有機質ピグメントには弾力性があります。オフセット印刷ではブランケットのインキを紙に転写する際、紙を送る反対側の圧胴が紙を挟んでブランケットに圧力をかけますが、その際に有機質ピグメントは扁平に変型する性質を持っています。そのためにヴァンヌーボの場合、圧胴でブランケットに押されることで紙表面の有機質ピグメントが平坦化され、その上にインキが盛られることによりグロス感を帯びるような仕上がりを見せてくれるのです。
カード系から冊子に至るまで、その仕上がりがとても人気のあるヴァンヌーボシリーズ。仕上がりの秘密のひとつを表面写真を通じてご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

 ※参考資料(カタログ)
  日清紡ペーパープロダクツ株式会社『VENT NOUVEAU』(2004年 日清紡ペーパープロダクツ株式会社)

 ※「ラフ・グロス」は株式会社竹尾さまの登録商標です。


電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o


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