『電子顕微鏡で見る紙の世界2』気になるあの紙にもっと迫ってみよう-その2 表裏の異なる紙の断面の比較 -エスプリコートV/スペシャリティーズNo.317-

第二回目となる今回は「表裏の異なる紙の断面の比較」ということで、当社で取扱いのある紙の中でも、表裏の違いが特徴的なエスプリコートVとスペシャリティーズNo.317の断面写真をご紹介してみようと思います。ちなみに断面写真のベースペーパー部分で灰色に見えているところが紙の繊維であり、黒く見えているところが繊維間のすき間になります。



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エスプリコートV 断面写真(200倍)

エスプリコートV

片面がキャストで裏面が非塗工のキャストコート紙。当社では現在「ミラー上質紙」の名称でも人気でおなじみの紙でもあります。片面がキャスト加工された紙は、当社では他にも「ミラーケント紙」「エスプリコートC(裏面はコート紙)」等の取扱いがあり、いずれもおかげさまでとても好評をいただいておりますが、今回は代表してエスプリコートVの断面を見てみましょう。
画像では上の面がキャスト塗工されていて、下の面が非塗工の面となります。キャストコート紙の強光沢面はベースペーパーの片面に塗工剤を塗布し、乾かないうちから「キャストドラム」と呼ばれる鏡面状の大型ロールを塗工面に押し当てます。キャストドラムは100度以上の高温に熱せられていて、この鏡面を写し取るように押し当てて乾燥させ、ゆっくりとはがしていくことで強光沢を帯びたキャスト面が完成するのです。また塗工時にキャストドラムに押し当てることで、紙の反対面から水分と空気を抜けさせて乾燥させます。そのため、ベースペーパーは断面写真のようにすき間が多くなるのが特徴です。
ポストカードに名刺といったカード系ではとても人気のある当社のキャストコート紙。印刷適性に優れたキャスト面と筆記特性に優れた非塗工面。見た目の裏付けがこの断面写真からも感じていただけるのではないでしょうか。



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スペシャリティーズNo.317 断面写真(200倍)

スペシャリティーズNo.317

金属的な輝きが特徴的なスペシャリティーズシリーズ。その中で鏡のような輝きを放っているのが「スペシャリティーズNo.317」です。片面は輝度が高く裏面は非塗工。この紙には通常の印刷紙にはないある特殊な加工が施されています。
画像では上の面が輝度の高い面、下の面が非塗工の面となります。スペシャリティーズシリーズは金属的な輝きを実現するために紙表面にいろいろな処理が施されていますが、スペシャリティーズNo.317では片面にアルミ蒸着されたペットフィルムが貼合されています。一番上がアルミ蒸着させたペットフィルムの層でハッキリわかるかと思います。さらに断面写真の上から二番目にもさらに層が見えていますが、これは塗工剤の層です。つまり塗工処理された紙表面上にスペシャリティーズの特徴的な加工が施されているのです。
輝度の高い面と筆記特性に優れた非塗工面。まさに鏡のような輝きを放つスペシャリティーズNo.317。カード系の印刷用紙の中ではちょっと高いですが、その分出来上がりのインパクトはどの紙にも負けません。そのインパクトと美しさが表現できる理由のひとつをこの断面写真からも感じていただけるのではないでしょうか。


電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o


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