『電子顕微鏡で見る紙の世界2』-その1 しっかりした紙の断面の比較 -インバーコートM-FS/ハイマッキンレーアート-

以前このブログでは『電子顕微鏡で見る紙の世界』と題した特集を4回に渡ってお送りしました。

その特集ではタイトルのとおり電子顕微鏡で拡大した紙の断面を紹介させていただいたのですが、当社が特殊な紙をいろいろと扱い始めた時期でもあったことから、人気のあったヴァンヌーボ、アラベール、ケナフといったファンシーペーパーの拡大画像を紹介させていただきました。他にも塗工紙と非塗工紙の比較などを掲載しましたが、かなりマニアックな内容だったにもかかわらず、お読みいただいた多くの方から反響をいただきまして、社内でも紙においての理解を深める教材的な役割もになったほか、タケムラ自身も紙のことをもっと好きになるきっかけにもなりました。

あれから約2年半。あのころからさらに新しく取り扱う紙種がドンドン増えてきました。その都度ブログではあたらしい紙の特徴などをご案内させていただきましたが、これらの紙も拡大して見たらどうなるか? さらに特徴のある紙ならどう見えるか? 断面じゃなくて表面はどうなっているのか? 機会があったらそんな画像が見てみたいなぁ、なんてハナシを紙卸の会社の方としていたら

「じゃあ、やってみましょう!」

ということで、再びこの企画が実現しました!

2010年を迎えての新春特別企画

『電子顕微鏡で見る紙の世界2』

と題しまして、今回から何度かに分けてお送りして行きたいと思います。

なお、今回もこの企画の実施に際しまして、当社からの申し出にも快くご協力いただきました各製紙メーカーさまにおきまして、このブログ上からも厚くお礼申し上げます。

ということで、第一回目となる今回は「しっかりした紙の断面の比較」ということで、当社で取扱いのある紙の中でも、紙表面の塗工処理が厚く、平滑性も高いと思われるインバーコートM-FSとハイマッキンレーアートの断面写真をご紹介してみようと思います。ちなみに断面写真のベースペーパー部分で灰色に見えているところが紙の繊維であり、黒く見えているところが繊維間のすき間になります。



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インバーコートM-FS 断面写真(200倍)

インバーコートM-FS

エンボスや箔押しに最適な紙として、今年からカード系の印刷商品として取り扱っているインバーコートM-FS。おかげさまでとても好評をいただいております。インバーコートM-FSがエンボスや箔押し等に適しているということは、以前のブログ『インバーコートM-FS』にも書かせていただきましたが、その秘密の一部をこの断面写真が示しています。
インバーコートM-FSはエンボスや箔押しなどの凹凸を加えるような加工に対応できるよう、ある程度の紙厚を確保するため繊維内にすき間を設けるような設計をし、紙にクッション性を持たせるようベースペーパーを重ね合わせて抄紙されています。その上に片面で2度ずつ塗工処理がされており、紙表面の平滑性を高めているのですが、このクッション性を持たせた紙厚と平滑性を高める塗工処理こそ、インバーコートM-FSの最大の特徴であると言えます。インバーコートM-FSがエンボスや箔押し等の加工適性に優れた紙だという理由、エンボスや箔押しでのカード印刷をご検討の方には是非おススメしたい紙であること、この断面写真からも感じていただけますでしょうか。



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ハイマッキンレーアート断面写真(200倍)

ハイマッキンレーアート

スーパーアート紙として有名なハイマッキンレーアート。当社でも最高級のスーパーアート紙として取り扱っており、その仕上がりの高さにはご利用いただいた多くのお客さまから絶賛のお声をいただいております。アート紙には優れた印刷再現性が求めらるため、それを実現するために多くの塗工剤が使われたり、平滑性を高める処理が施されているわけですが、その秘密の一部がこの断面写真からも伺えます。
ハイマッキンレーシリーズの紙は抄紙後、別工程で塗工を行う「オフコーター」処理がひとつの特徴でもありますが、塗工剤を乾かす処理が行われた後に、複数のロールを通過する「カレンダー処理」と呼ばれる工程があります。ここでロール処理を施すことで紙厚自身に圧力をかけて紙自身の密度を高め、さらにグロス系のハイマッキンレーアートの場合なら紙表面の光沢を出して磨きをかけてゆくのです。先にご紹介したインバーコートM-FSと違って、断面写真にもあるように密度の高められたベースペーパーにはすき間があまり見られないこと、そしてしっかりとした塗工層と平滑性を高めた処理が、ハイマッキンレーシリーズをスーパーアートと言わしめる理由のひとつであると言えます。
冊子でもカード系でもここ一番の印刷に使ってみたいと思わせるようなハイパフォーマンスなスーパーアート紙のハイマッキンレー。この断面写真もそれを物語っていると思います。


電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみにo(^∇^o)(o^∇^)o

本画像は各製紙メーカーさまのご協力のもとに、本ブログ記事掲載についてのご了承を得た上で使用しております。したがって本画像の2次利用および無断利用については固くお断りいたします。またこの記事の文章におきましても、無断で転用することは固くお断りします。

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