フォント vol.4 ~OpenTypeフォント~

今回のブログでは、フォントに関する記事として、本記事を含めて4回に分けてご紹介しているのですが、その中で過去3回分の記事を振り返ってみたとき、関係しているタケムラが言うのもなんですが、改めてフォントってややこしいなぁと思ってしまいます。パソコンだけにインストールされるスクリーンフォント(ATMフォント)、RIPやプリンタなどの出力機にインストールされるプリンタフォント、※TrueTypeフォントはPS(PostScript)プリンタでそのままプリントできないのでアウトライン化しなくちゃいけないし、PostScriptフォントはType1、OCF、CIDがあってMacintoshは使えるけどWindowsはダメでなどなど…。ややこしいですよね(>_<)

今回ご紹介するOpenTypeフォントは、これらフォントのややこしい一面をある意味では包括して、かつ扱える文字種を大幅に増やしたものです。OpenTypeフォントの開発にあたっては、PostScriptフォントを開発したアドビとTrueTypeフォントを開発したマイクロソフトが協力していますが、アップルはこのOpenTypeフォントの規格に賛同すると同時に、オペレーションシステムでこのフォントの特性を最適に扱えるように改良を重ねて、現在のMac OS XにてヒラギノOpenTypeフォント6書体が標準書体としてバンドルされるにようになりました。また、マイクロソフトにおいても今年1月に発売されたWindows Vistaで「メイリオ」と呼ばれるOpenTypeフォントをシステムフォントとして実装しています。

ちなみに、Mac OS XのヒラギノOpenTypeフォントとWindows VistaのメイリオOpenTypeフォントは、カテゴリとしては同じOpenTypeフォントですが、アウトラインデータの取り方においてヒラギノがPostScript CIDベースベジェ曲線であるのに対して、メイリオはTrueTypeベーススプライン曲線です。アウトラインデータだけ見ると、本来カテゴリの違うフォントとして認識されるものなのですが、OpenTypeの概念では、組版における様々な機能を提供するテーブルが別に存在して、これらがアウトラインデータを取り巻くように形成されています。つまりタイプの違うベースのフォントのアウトラインを、様々な機能を含んだテーブルで包み込むことで、PostScript CIDやTrueTypeの区別なく利用できるようになったのがOpenTypeフォントの大きな特徴なのです。

  

そのほかにOpenTypeフォントの特徴を挙げると、

1. MacintoshやWindowsのプラットフォームに関係なく使用できる。
2. 「ダイナミックダウンロード」に対応したアプリケーション(InDesign、Illustratorなど)
  であれば、フォント出力の解像度制限を受けずにプリンタにフォントを搭載しなくても
  印刷出力できる。
3.PDFファイルにフォントを埋め込むことができる。
4.OpenTypeのStandard書体で9354文字、Pro書体で2万文字以上の記号や文字が扱える
  (CIDフォントでは8720文字)。

などなど…

上記以外にもOpenTypeフォントにはさまざまな特徴がありますが、新しいJIS規格への対応やアドビのグリフセットのバージョンアップに伴い、文字数については今後増える傾向にあります。OpenTypeフォントは、今後DTPにおいても標準的に用いられるフォントとして普及していくことでしょう。

OpenTypeフォントはInDesign(バージョン2.0以上)やIllustrator(バージョンCS以上)などのOpenTypeフォントを的確に扱えるアプリケーションを使用することで、その機能を十分に生かすことができます。当社対応OpenTypeフォントについては、以下のリンクをご参照ください。

【当社フォント対応状況】
http://www.graphic.jp/technical/font.html


◎画像はクリックしていただくと拡大表示されます。

※追記(2007/7/17)

Windowsでのフォントにつきましては、PostScriptフォントが全くないわけではございません。かつてのモリサワViewフォントなども厳密にはWindows環境でのPostScriptフォントですが、Macintoshほど使われているわけではないというのが実情です。
またPostScriptプリンタでのTrueTypeフォントの出力につきましても、Illustratorなどで「フォントをダウンロードする」にチェックを入れると、アウトライン化しなくても出力可能です。

以上、読者の方より本記事につきましてご指摘をいただいておりましたので、追記させていただきました。ここにお詫びの上追記させていただきます。

【過去の記事一覧】
フォント vol.1 ~フォント形式の見方と印刷について~
フォント vol.2 ~True Typeフォント~
フォント vol.3 ~PostScriptフォント~