『電子顕微鏡で見る紙の世界』
人気の紙に迫る! ~アラベール~

印刷というとまずは色について語られることが多いと思いますが、ベースとなる紙については特性が意外と語られる機会がないような気がします。印刷を行なうにあたって、紙は必要不可欠な存在です。当社でもたくさんの紙種を取り扱っていますが、昨年末よりブログで当社が取り扱っている紙をいろいろとご紹介する中で、色を語るのと同じくらいに紙についてももっと取り上げてもいいのでは、という思いが沸々とわいてきました。そして、もっとお客さまに紙のことを知っていただければと思い、当社で取り扱っている全ての紙種をブログで取り上げてみたのです。

そんな中、以前も書きましたが、タケムラは新入社員向けの講座で紙に関することを講義する機会がございました。講義の中でホワイトボードに紙の断面図を簡単に図示しながら説明する場面があったのですが、説得力に乏しいところもあり《写真で断面写真を実際に見せることができたら、もっと説得力あるやろうなぁ》と思うことがたびたびあったのです。

そんな思いを抱きながら、先日紙の問屋さんとお話しする中で紙の断面写真のことについて触れてみたところ「やってみましょう!」と快く引き受けていただき、製紙会社さまや紙の販売会社さまなどのご協力を得てこのたびの企画が実現いたしました。

断面写真の撮影および画像のご提供に快く応じていただきました株式会社竹尾さま、日清紡績株式会社さま、株式会社松村洋紙店さま(順不同)に、まずは厚くお礼申し上げます。

さて、前置きが長くなりましたが、今回から何度かに分けて、電子顕微鏡で撮影した紙の断面図を使いながらもっと深く取り上げてみたいと思います。まず1回目は、当社でも人気の高い『アラベール』の断面写真からご紹介してみようと思います。

紙表面に塗工処理が施されない非塗工紙のアラベールは、紙の表面にそれぞれの繊維が現れていることもあって少しゴツゴツしているのがおわかりいただけるかと思います。塗工処理されていない紙を触ったときに、少しザラッとした質感を感じることができるのは、このためなのです。紙表面がゴツゴツしている分、インキが乗ったところもゴツゴツ面にならって吸着されるので、平滑度が高く塗工されているコート紙と比較すると鮮やかさではかないませんが、反面彩度を抑えた落ち着いた仕上がりは、コート紙には真似のできない味わい深い雰囲気を醸し出します。

紙の断面写真をもう少し詳しく見てみましょう。灰色に見えているのが紙の繊維で、黒く見えているのがすき間です。紙の製造時にこのすき間を多く取ることによって紙を厚くすることができます。厚みがある紙のことを『嵩(かさ)がある』もしくは『嵩高(かさだか)』と言いますが、アラベールはコート紙などと比較すると、ほぼ同じ連量であっても約1.5倍ほどの厚みを持っており、紙のベース部分にすき間がある分、しなやかでやわらかい、ファインペーパーとしての独特な風合いを持った、嵩高な紙に仕上がっているのです。

電子顕微鏡で見る紙の世界、いかがでしたでしょうか? では次回をお楽しみに(^^)/~~~



◎見本写真
アラベール スノーホワイト130kg
☆連量はいずれも四六判換算です。

※本画像は株式会社竹尾さま、日清紡績株式会社さま、株式会社松村洋紙店さま(順不同)のご協力のもとに、本ブログ記事掲載についてのご了承を得た上で使用しております。したがって本画像の2次利用および無断利用については固くお断りいたします。


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