フォント vol.3 ~PostScriptフォント~

アドビシステムズ社によって開発されたPostScriptフォントはMacintoshで使われているフォントで、DTPにおいても重要なフォントです。PostScriptフォントはMacintosh上に表示されるスクリーンフォント(ATMフォントともいいます)を、RIPなどの出力演算装置やPostScriptプリンタに搭載されている解像度の高いプリンタフォントに置き換えて出力するため、DTPにおける商業印刷では必要不可欠なフォントです。PostScriptフォントの種類はいくつかに分けることができますが、今回はその中でも代表的な「Type1」「OCF」「CID」について説明をしてみます。

Type1フォントはPostScriptフォントの中で現在最も多く使用されており、1バイトの欧文フォントなどによく見られます。当初はアドビが仕様を公開していなかったこともあり、アドビ以外の会社がType3フォントを作成して販売していましたが、その後Type1の仕様が公開されると急速になくなってしまいました。その他にもType4やType42などもありましたが、現在ではType1とType0が残るくらいになっています。

OCF(Original Composite Format)フォント2バイトのフォントに対応し、複数のType1フォントを階層状にしています。アドビでは「Type0」と呼ぶこともあるほか、別名「複合フォント」と言われることもあります。Type1単体では256文字しか格納できないことから、パソコンで使用される数千もある日本語文字を格納するために、複数のType1を階層化して、ひとつの書体として見せるように半ば強引に拡張したのがOCFフォントです。それゆえにフォントの構造はとても複雑になり、フォントの表示速度の問題のほか、旧字体が追加できない、PDFファイルに埋め込みできないなどの問題がありました。またフォントベンダーのライセンスが絡むコピープロテクトの影響でIllustratorでアウトライン化できないなどの問題も抱えており、DTP市場では姿を消しつつあります。

CID(Character IDentifier)フォント2バイトのフォントに対応しており、OCFフォントの不具合を解消し、かつOCFよりも多くの文字数が扱えるような構造を持っております。CIDフォントではひとつひとつの文字(=グリフ)にID番号が割り振られています。そしてこのID番号やコード、字詰めや異字形情報が格納されたCMapと呼ばれるファイルを呼び出すことで、文字にアクセスできる仕組みになっています。なお、現状のCIDフォントはsfntと呼ばれるリソースを持ったsfnt-CIDフォントが主流ですが、フォントベンダー最大手のモリサワでは当初Naked-CIDと呼ばれる仕様をCIDフォントとしてリリースしていた時期がありました。ただ、アウトライン化できない、字詰め情報がないなどの問題が残っていたこともあり、それらを解消したsfnt-CID仕様の『NewCIDフォント』が現状のCIDフォントとして広く認知されています。

しかしながら、CIDフォントにおいてもプリンタフォントがないと高解像度の出力ができない事情は変わりなく(PDFファイルに埋め込んでしまうことは別として)、加えて日本語で扱える文字数がさらに多いことや、TrueTypeなどのフォントフォーマットの違いなどもあり、これらを包括した新たなフォントフォーマットの策定がなされることになります。それが次回紹介することになる『OpenTypeフォント』です。

次回の『印刷通販の基礎用語』は、いよいよフォントについて最後のお話になります。最後は「OpenTypeフォント」」についてお話しします(^^)

PostScriptフォントを使って当社印刷通販をご利用の際は、当社対応フォントを確認のうえご入稿いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

【当社フォント対応状況】
http://www.graphic.jp/technical/font.html


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【過去の記事一覧】
フォント vol.1 ~フォント形式の見方と印刷について~
フォント vol.2 ~TrueTypeフォント~