サンプル画像の謎 後編

工場長より手渡された『高精細カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS-SCID』という書籍を見ると、例のサンプル画像のことが載っていました。

それによると、あの女性の画像の名称は『ポートレート』というらしいのですが、実は

規格番号 JIS X 9201:1995
標  題 高精細カラーディジタル標準画像(CMYK/SCID)

という、日本規格協会 ISO/JIS-SCIDのサンプルとして認定されている標準カラー画像データの中の一つでした。

この規格のルーツは、ISO/TC130/WG2(※)と呼ばれる国際標準化機構の作業グループが支援のもとに、日本の画像処理技術標準化調査研究委員会によって策定され《ISO 12640》として登録されたのがきっかけでした。そして同時に同じ内容が《JIS X 9201:1995》として1995年10月に日本規格協会に制定されたという経緯があります。

JIS X 9201では、この規格の概要を「符号化,変換,圧縮及び復元を含む画像処理,フィルム記録又は印刷の過程における画質変化を評価するための一群の標準カラー画像を表現する数値データを規定。標準カラー画像は,8ビットCMYKのディジタルデータに符号化されている。」と定めております。平たく言うと、CMYKで印刷出力するための標準的なデジタル画像における数値化されたデータ等を規定しているわけです。その後JIS X 9201は、文書構成や用語等の変更などが行われて、現在の規格番号は[JIS X 9201:2001]となり、同時に国際規格の[ISO 12640-1:1997]にも一致する規格として現在に至っております。

私たちの業界にとってあのサンプル画像は、印刷品質や色調を見る上で今なお役立てられ、そして、gr@phicの印刷品質を示す大事な指標の一つとして、これからも当社のカラーチャートにも登場しつづける予定です。あの女性がどこの誰かは知る由もありませんが、あの古めかしい(失礼…)画像を当社のカラーチャートに使い続ける背景には、確固たる規格に基づいた指標としての裏付けがあったわけです。工場長、ありがとうございましたm(__)m

というわけで、タケムラ自身、この謎がとけてすごく胸がスッキリしました。同時に、今までよりももっとこのポートレートに愛着がわいた気がします。


参考文献
『高精細カラーディジタル標準画像データ ISO/JIS-SCID』
財団法人 日本規格協会 1995

(※)ISO TC130/WG 2
(International Organization for Standardization, Technical Committee130 / Working Group 2)
→国際標準化機構/専門委員会130/作業グループ2。ISO/TC130の作業グループの一つで、製版データ交換に関して、カラーマネジメント、高精細カラーデジタル標準画像、分光特性データベース、PDFデータ交換、TIFF拡張及び印刷構造モデル符号化などの標準化を行っている。


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【過去の記事一覧】
サンプル画像の謎 前編

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