誠実に接することの大切さ

当社がまだ十条工場にあったころ、いつも午後9時ごろに引き取りに来られるそのお客さまは、少しご年配の男性ですが、年齢に相反して屈託のない笑顔がとても印象的な方でした。また、こちらが恐縮するくらいに腰の低い方で、代金の支払いがお済みになると、大事そうに印刷商品を抱えながら何度も会釈して帰って行かれるお客さまでした。

ある日のこと、そのお客さまがいつものように印刷商品を引き取りにいらしたので、お釣りをお渡しする際に、タケムラは思い切って声をかけてみました。


タケムラ:「いつもご利用頂きありがとうございます。こちら、お釣りと領収書です。遅くからの引き取り大変ですね」

お客さま:「こちらこそ遅い時間からおじゃましてスミマセン。いつもお見かけする方ですよね。お名前が、ええと…」

タケムラ:(名刺を取り出して)「タケムラと申します。いつもお世話になります」

お客さま:「あ、タケムラさんって言うのね。私、名刺もってなくてスミマセン。いつも中山サンにお世話になってたんです。そういえば、中山サン、最近お見かけしないんですが…」

タケムラ:「中山をご存じなんですね!? いつもありがとうございます。中山は現在東京神田店に店長として赴任しておりますよ」

お客さま:「ええ!? 中山サン、東京なんですか? 元気にしてはるんでしょうかね?お会いになることがあったらよろしくお伝えください。gr@phicさんをご紹介してくれたのも中山サンだったんですよ。ホントにいい方ですよね」

タケムラ:「そうだったんですか、いつもお見えになっていることも伝えておきます。 あ、長いこと立ちばなしして失礼いたしました」

お客さま:「いえいえ、こちらこそ。またお願いしますね。どうも、ありがとうございました」


そう言ってからいつものように商品が入った小さな段ボールを大事そうに抱えて、そのお客さまはいつもの屈託のない笑顔を見せて何度もお辞儀をしながら帰って行かれました。

以来、何かあるとそのお客さまはタケムラを尋ねて頂くようになりましたが、つい話が長引いてしまうといつも東京神田店の中山の話になってきました。タケムラは誠実な中山サンの対応が、今もそのお客さまにとって忘れられないんだなぁ、とちょっと中山サンのことをうらやましく思ってしまいました。決して派手ではないけれど、地道かつ誠実な応対の大事さを、そのお客さまと東京神田店の中山を通じてあらためて教えて頂いたような思いがしました。

当店が竹田工場に移転してから、そのお客さまのご注文はほとんど発送になってしまったので、京都竹田店に直接ご来訪になることはほとんどありません。06_12_4NO_28.jpgタケムラ的には、そのお客さまの屈託のない笑顔が見られなくなったのはちょっぴり寂しくも思っておりますが、応対の大切さを教えて頂いたお客さまとして、今も深く印象に残っております。

※※当社の中山につきましては、現在もgr@phic東京神田店の店長として頑張っております。東京神田店にご来訪の折は、是非是非お尋ねください。