アラベール登場!(スノーホワイト)

お客さまより度重なるご要望をいただきながら、なかなか対応できなかった特殊紙のアラベール(※)は、他の特殊紙と同じように印刷の難易度の高さに加え、コスト面やオペレータのトレーニングに時間を要することもあり、印刷通販としてご提供するためにはさまざまな過程と月日を必要としておりました。

アラベール紙をご存じのない方のために簡単に説明すると、きめの細かい画用紙のような風合いを持ち、紙表面にお化粧をしない紙(非塗工紙)で、紙種のカテゴリとしては非塗工紙を総称してファインペーパーと呼ばれることもあります。ファインペーパーならではの素朴な手触り感を持ちながら、高級でボリューム感のあるアラベール。デザイナーさまにも人気が高く、当社で一番ご要望が多かった紙でした。そんなアラベール紙(スノーホワイト)を今回印刷通販としてご提供することになりました。拍手!

アラベールにはわたし自身とても印象に残っていることがあります。わたしが初めてこの紙の名を知ったのは、恥ずかしながら印刷通販課に加わり、ほどなく担当することになったBBSからでした。特殊紙だけどデザイナーさまにとても人気のあるアラベールを取り扱って欲しいとのご要望、アラベールの名を知らなかったわたしは、紙の販売を担当している株式会社竹尾さまをはじめ取扱のある会社さまに資料を請求したりして見本を集めてみました。続々と集まる見本の数々、アラベールの印刷サンプルを初めて見たときは「この紙、見たことあるわ!」と思いながらも、こんな味のある印刷が出来る紙があるんだなぁ、と驚いてしまいました。ウチで出来ないんやろか?そう思いながら、早速サンプルを持って工場長や印刷担当している責任者に聞いてみたところ、とたんに表情が曇り始めました。

 「これ、特殊紙やん。アラベールみたいな塗工してへん紙は、なかなか乾かへんで」
 「やれんことはないけど、通販でやるのはちょっとムリとちゃうか? 第一、売価が合わへんやろ?」

お客さまからのご要望に対して、一見すると冷たい返事のようにも思われますが、現場を担当する社員は技術的に難易度の高い作業やコスト面で見合わない作業を本能的に見極めることができるからこそ、このような言葉が出てきます。いい商品を作りたいという思いは皆同じですが、かと言ってコストは無視できません。また、当時のgr@phicではコート紙とマットコート紙の取扱しかなく、印刷機の調整と色の調整に時間がかかりました。その上、特殊紙は紙の乾燥にも時間がかかりますので、gr@phicの商品としてラインナップするには大変難しいものがございました。技術的には全然問題ないものの、印刷通販としてご提供するためには、迅速かつ正確にこなせるようなオペレータのトレーニングやコスト面、作業フローに関する部分を徹底的に見直さなければならず、それには相応の時間が必要でした。当社もなんとか印刷通販としてご提供できるように、印刷の現場では特殊紙についてのありとあらゆる試行錯誤が繰り広げられ、一方でお客さまからは日増しにご要望が高まるけどお断りせざるを得ないといったジレンマが続いてゆきましたが、オペレータの練度の向上や携わる様々な業者さまのご協力のもと、今回遂に実現に至ることができました。印刷サンプルの刷り見本を見たときは素直にうれしかったです。

ちなみに、きめの細かい画用紙のような風合いのアラベールは、インクジェットプリンタで出力しても実にいい風合いを醸し出してくれます。写真用紙のように映えた出力ではなく、発色はかなり抑えられます。言い方を変えると落ち着いた雰囲気でしょうか。ただ、紙の設定に注意しなければなりません。これを間違えると泣きたくなるような出来上がりになっちゃいます(>_<)わたしが試した紙設定でもっともよかったのは「ファイン紙」。インキがにじんで拡がる率も少なく、宛名をプリントするには向いているかもしれません。ただし、しっかりと乾燥させなければなりません。06_10_16NO_7.jpg
今回は導入の背景について触れましたが、いかがでしたか?ご利用頂くお客さまにとって待ちに待ったアラベール登場は、わたしたちにとっても待ちに待った導入でもあるのです。


○アラベールはカード系の商品にてご利用いただけます。
 お申し込みはこちら。
http://www.graphic.jp/lineup/products_card.html

○アラベールを含めたサンプルのご請求はこちら。
http://www.graphic.jp/material/index.html

※.アラベールは、株式会社竹尾より発売されている紙銘柄で、
その名称は製造元である日清紡績株式会社の登録商標です。

  • 投稿者:
  •  日時:
  •  カテゴリ: