冊子印刷

06_10_02NO_3.jpgある日のこと、Aさまという方より、冊子を作りたいということでメールにてお問い合わせをいただきました。ご自身がいろいろ書きためたものをみずから編集して一冊の本を作りたいとのことで、Aさまにとってはご自身の集大成でもあり、まさに一大プロジェクト、お受けする我々にも緊張が走ります。また、冊子のデータ作成には時間や金銭的な問題もさることながら、フライヤーなどの1枚ものの印刷物とちがって、冊子にするための決まりごとやノウハウが必要になってきます。そのようなことをお伝えすることから、Aさまとのやりとりが始まりました。

冊子ものの印刷データを作成するにあたっては、クォークエクスプレスやアドビのインデザインのようなページレイアウトソフトを使うととても便利なのですが、どちらのソフトも値段が張ることや、取扱に若干のクセがあるので、イラストレータで制作されるお客さまも多くいらっしゃいます。Aさまもイラストレータで制作されるとのことでしたので、以下の内容をお伝えいたしました。


○見開きで制作すること。
→ここでいう見開きはホッチキス止めを取り外してばらした状態ではなく、冊子を綴じた状態でページ順に見開いていった状態のことです。面付け(※)は当社で行います。

○見開きのドキュメントファイルとリンクしている画像ファイルは、同じ階層に格納すること。
→画像のリンクもれなどによるデータ不備等を防止するためです。データ不備は受付日の遅れなど納期の遅延にもつながってきます。

○できれば束見本を作って入稿データと同封して送って欲しい。
→カンプを出力しただけでは見えない問題も冊子状の見本(束見本)を作ることで見つかったりするのでページネーションを確認するためにも手間だけどこの作業は重要です。


冊子印刷の版下データ作成はそれなりに時間もかかることもあり、制作途中の段階でいろいろとご質問をいただくことになります。画像を載せるにあたって、Aさまはデジタルカメラで撮影したデータを使いたいとのことで、自身が持っているデジタルカメラが使えるかどうかについてお問い合わせがありました。デジタルカメラはカメラの持つ画素数が印刷品質にも大きな影響を及ぼしてきます。また、多くの場合、撮影された状態を等倍で使うのではなく、一部分をトリミングして拡大して使うことが多いことを考えると

 ○できるだけ大きな画素数のカメラで最高画質、もしくはそれに準ずるモードでの撮影

をお奨めいたしました。幸いAさまがお持ちのカメラについては画素数的に問題なかったのですが、撮影結果がどのように印刷に反映されるのかを気にされておられましたので、印刷に入る前にカラープルーフのご利用をご提案いたしました。
その他紙種についてのお問い合わせをいただきましたが、当社の印刷サンプルをご参照いただき、印刷紙も決まった段階でいよいよご注文・ご入稿いただくことになりました。

ご入稿後の冊子については、ペラもののフライヤーなどと違いデータチェックについて行う項目が多いこともあり、ご入稿いただいてからデータチェック終了まで多くの時間を要することがほとんどで、中には丸一日以上かけてチェックすることもしばしばです。後日Aさまとお話をする機会があったので、その時のことをお話すると、データチェック終了のメールが届くまでの間は気が気じゃなかったとのことでしたが、事前にいくつかお問い合わせいただいていたこともあり、一部分において不備が見つかったほかは、ほとんど問題なくデータチェック完了となりました。そして刷版・印刷・製本・梱包の工程を経て無事に冊子印刷の商品は発送されました。

後日、Aさまよりメールをいただきました。その中には無事に印刷商品が到着したこと、サポートではいろいろお世話になったことのお礼、自身の集大成が出来上がった様がとてもうれしかったことなどなど…特に印刷商品が到着したその日はうれしさのあまり印刷物の一部を抱いて寝たそうです。ここまでお喜びになっているご様子を想像すると、とてもうれしかったんやなぁ、という思いがだんだんこみ上げてきて、メールを読むタケムラの顔も自然にほころんでいました(#^.^#)はた目から見ると、なにげにニヤけているタケムラはきっと怪しかったかもしれません。

Aさまにおかれましては、その後もいろいろな印刷のご注文で当社をご利用いただいておりますが、製本機の前で平積みされている他のお客さまの冊子印刷の商品をみるといつもこの冊子印刷の件を思い出します。


※面付けとは・・・製本の際にページの順番がキチンと並ぶよう、台紙にページをくっつけていく作業のことです。オフセット印刷での冊子印刷は、多くの場合、一枚ずつ印刷を行うのではなく、大きな紙に一度に印刷をします。その後、台紙を折って各ページが順番に正しく並ぶように配置しないと、製本作業が効率よく行えません。